東京都立大学
気候システム研究グループ
Climate System Research Group
Tokyo Metropolitan University

大学で、気象学・気候学を学びたい高校生のみなさんへ

関東地方の大学で気象学・気候学を学ぶのであれば、東京都立大学の地理環境学科が一つの選択肢です。「地理」は、文系のイメージですが、地理環境学科は、理系の教員が多いです。ただし、文系や理系にとらわれずに、それぞれの現象に対して、様々なアプローチで研究をしています。地理環境学科全体については、こちらのHPをご確認ください。

その中で、気象学・気候学・地球環境学も学べます。地球規模気候変動から都市の気候まで幅広く研究できます。気象学・気候学を選択する学生は理系の学生が多いですが、文系の学生もいます。

入試は、「地理」や「地学」以外の「物理」と「化学」などでも受験できます。詳しくは、入試情報を必ずご確認ください。

大学院で、気象学・気候学を学びたい学部生のみなさんへ

東京都立大学では、気象学・気候学の大学院生を募集しています。学部での専門が異なる方もご検討ください。これまでにも、他大学から進学した学生がたくさんいます。毎年5月を目処に研究室訪問をお願いします(オンラインでの相談もできますので、まずは、お気軽にご連絡ください)。 具体的な研究内容は、本HPなどを参考にしてください。

現役大学院生の声

当研究グループで学ぶ現役の大学院生(インタビュー当時)に、専攻の理由や研究内容などをインタビューしています。

  • 小学生の頃から空が好きで、中学生くらいから飛行機にも興味を持つようになりました。
    大学に入ったら飛行機事故につながる気象現象について研究したいと思っていたので、気候学研究室を選びました。

  • 気象に関する教科書などを読む中で、元々関心があった地球科学と物理の両面を扱うことができる点に惹かれました。

  • 小学生のころに竜巻の映画を見て気象に興味を持ち、大学時代に勤しんでいた自転車競技が気象と隣り合わせのスポーツであり、さらに関心が高まって進学しました。

  • 学部は物理学科でしたが、学部4年生になるころに進路を考えた際、以前から漠然と興味があった気象・気候について研究できる大学院を志望することにしました。

  • 小学校の自由研究をきっかけに、気象に興味を持ちました。
  • 地理全般の知識を学びつつ、気象についても学ぶことができました。
    もともと気象学に興味があって入ったので、学部時代を通して視野を広げることができたところがよかったです。
    日本の災害について学部時代で知見を深められたことは、今後どこにいても役に立つ知識になっていると思います。

  • 都立大の航空部(グライダーという航空機に乗るサークル)に所属していましたが、気象学との繋がりが強かったです。
    高く飛ぶために上昇気流を見つけて、実際上昇気流に乗れた時の機体の揺れを体感できたりしました。雲底までグライダーに乗って見に行ったりもして、教科書で勉強することを体感できたのがすごく楽しかったです。
    実際に航空機の事故も身近だったので、この経験で修士の研究テーマ(ダウンバースト)に思い入れが強くなりました。

  • 都立大の人力飛行機研究会MaPPL(毎年、滑空機部門で鳥人間コンテストに参加)で、翼制作の班長をやっていました。
    航空力学とかも独学で勉強していたのですが、揚力について考えたりするとき、気象学の知識があると理解しやすかったことも多々ありました。
    過去のフライトを見て、パイロットの操縦や風の変化、機体の構造、どの要因でその結果につながったのかをみんなで議論することもよくあったのですが、そういう場面でもどんな風が吹いていたのか、どんな環境場だったのか等、ある程度事前知識を持った上で見ることができていたので、そういった意味でもかなり役立っていたと思います。
    飛行機と気象(風)に興味が強くて、気象の知識を研究や座学でインプットしつつ、実際に飛行機を飛ばして風を実感することができたのは、大学生活で一番の収穫で、1番の楽しみでした!

  • 物理やコンピュータに関することは、多少なりとも学んでおいて良かったと感じました。一方で、統計についてもう少し学んでおけば良かったと思います。

  • 英語をもっと学んでおけばよかったと思っています。研究室には留学生もいるので、英語でもっとコミュニケーションが取れればと思います。
  • 内部進学で面接に向けて、自分のこれまでの研究について振り返りつつ、今後やりたいことを明確にすることを意識していました。

  • 内部進学で面接試験のため、自分の卒論の計画やその先の修士課程における研究の展望について、わかりやすく説明できるようにしました。
    具体的には、自分の研究目的や意義、計画などをまとめ、それに対して友人などの助けも借りて批判的に論理などを検討しました。

  • 内部進学でしたが、面接試験のため、自分の研究内容を誰が聞いてもわかるように説明する練習をしました。

  • 外部(水文学専攻)から受験しました。過去問や、特に気象や地理の専門用語の英単語の勉強をしました。専門科目は、「一般気象学」(小倉義光)を参考にしました。

  • 外部(物理学科)から受験しました。院試に向けては過去問で対策し、高校の地理も復習しました。気候分野は「一般気象学」(小倉義光)で勉強しました。ほかにも気象・気候関連は何冊か読みました。
  • ダウンバーストという、積乱雲から発生する強い突風について研究しています。航空機の離着陸時に遭遇すると危険な現象のひとつです。

  • インド洋から太平洋までの赤道域を、数千kmスケールの積乱雲のクラスターがゆっくりと東へ進んでいく現象であるマッデン・ジュリアン振動(MJO)を研究対象としています。
    特に、その対流活動がインドネシア付近の島々がある地域で衰退してしまうケースについて調べています。

  • MJOは熱帯の気象現象ですが、その影響は日本や欧米などの中高緯度にまで及ぶため、その理解は季節予報や異常気象の観点からも重要です。

  • 日本において梅雨の時期の降水がどのようなメカニズムでもたらされているかを研究しています。インドやフィリピンの雨、太平洋上の高気圧が大きく関わっており、梅雨期という季節の中での降水の変動や年々の変動などにも着目しています。

  • 人為起源エアロゾルの増加により、アジアモンスーン域の気候状態がどのように変化するかを調べています。アジアモンスーン域は人為起源エアロゾルの排出が多い地域なので、エアロゾルによる気候変動を定量的に評価することは重要です。

  • 南岸低気圧と関東地方の雪の関係を研究しています。南岸低気圧と呼ばれる日本の太平洋側を進む低気圧によって、どういった時に関東地方で雪が降りやすくなるのかを調べています。
  • 研究に真剣に取り組む仲間たちに囲まれて、思う存分研究できること。
    院生になってからはより本格的に研究に取り組めたことに加え、1年間休学してやってみたかったことにもチャレンジすることができ、自分にどんな仕事が向いているのか、時間をかけてじっくり向き合うことができました。自分にとって、とても貴重な時間になっています。  大学院に進学してよかったこと

  • 観測の手伝いなどで、自分が普段やらないような手法・内容の研究に触れることができ、気象に関する理解や経験の幅も広がりました。

  • 学部までで学びきれていない、より専門的な知識を得る時間があるのが良かったです。
    また、学会や研究会において他の人にわかりやすく伝える機会が多くあり、プレゼンやコミュニケーションの経験を磨くことができました。

  • 研究を進めていく上で重要な、プログラミングスキルやITの知識が身に付いたこともよかったです。

  • 気象に関する更なる専門的な知識を取得でき、観測実習において実際に気象観測の経験やノウハウを身に付けることができました。

  • 解析で必要になったプログラミングがかなり上達したと思います。

  • プレゼンのしかた、ものごとをまとめて伝える力がかなり向上したように感じます。ゼミをはじめとした研究結果を発表する機会を通して、先生や先輩のアドバイスなどもあって、だいぶ鍛えられたなと思います。

  • 時間にゆとりを持てる時期もあるので、新しいことも始められます。自分はプログラミングを勉強しました。

  • 学部とは違った経験をできています。研究はもちろんですが、学会での発表やTA(ティーチングアシスタント)、後輩へのアドバイスなどは、大学院だからできたことです。

卒業生の就職先

大学院 博士前期課程(修士課程)卒

公務員(東京都)、公務員(町役場)、朝日航洋、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、NEC、NEC通信システム、気象庁、JR西日本、新日鉄住金ソリューションズ、大和総研ホールディングス、日本アイ・ビー・エム・サービス株式会社、日本気象協会、NEXCO西日本、パスコ、 富士ソフト
 
学部卒

公務員(特別区)、公務員(県庁)、教員(高校)、NTTデータアイ、気象庁、JR東日本
 
 
卒業生に、就いている仕事や気象予報士試験のことについてインタビューしています。
詳しくは、こちらをご覧ください。